AT-AT
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AT-ATは、映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場する架空の兵器の名前。
目次
1 概要
2 作中での活躍
3 類似機種
4 備考
5 脚注
6 関連項目
概要
帝国軍地上部隊の主力兵器。AT-ATとは(All Terrain Armored Transport 全地形対応装甲トランスポート)の頭文字である。現実で言えば主力戦車と装甲兵員輸送車に相当する兵器であり、敵地上部隊の排除と自軍歩兵部隊の輸送という役割を担っている。4本の足で地上を歩行し、顎部の“連動式 重レーザー砲 (2門)”と、こめかみ部の“連動式 中型連射ブラスター砲(2門)”の強力な兵器を搭載している。
本機の前級はAT-TE、及びクローン・ターボタンク(巨大装輪装甲車、AT-TEに大型タイヤをつけた原始的な車両)。どちらも攻撃力と量産性のバランスに優れた兵器であったが、皇帝がより攻撃的、圧倒的な兵器を求めたためAT-ATが開発され、AT-TEは退役している。
非常に堅固な防御力を持ち、その正面装甲は歩兵のブラスターから戦闘機のレーザー砲、地上砲台からの砲撃すら全く受け付けない。そのため反乱軍はこの「怪物」を撃破するために、「比較的に防御が薄い首の関節部分を狙って、集中攻撃を浴びせる」、「長い脚をケーブルで絡め取り、転倒させる」、「脚首の関節部分を集中攻撃する」などの工夫を強いられる。また、このうち少なくとも脚首関節に関しては帝国軍も弱点として認識しており、ホスの戦いでは帝国軍から反乱軍に寝返ったパイロットにスノースピーダーで脚首を砲撃され、ボルトを外されて撃破されている。
本機の構造は、動力機関と乗員室とを備える本体、本体正面に可動式の通路で連結されているコクピット・砲塔部分、4基ある長大な脚部分から構成され、いずれも強靱な装甲を持つ。脚で歩行する生物的なスタイルから、便宜上コクピット部分が「頭」、コクピットと本体を繋ぐ可動式通路が「首」と呼称されている。
兵装はコクピット下部に主砲である“連動式 重レーザー砲 (2門)”と、コクピットの両側面に“連動式 中型連射ブラスター砲(2門)”を装備する他、巨体を支える4本の脚自体が地上の建造物に対する物理的な攻撃手段になりうる。脚以外ではコクピットのある頭部のみが上下左右に稼働し、砲塔の役割を担っている。兵員の降下には脚を畳んで3m程度まで乗員室の部分を下げてスロープで降下する方法と、直立状態の本機からロープで懸垂下降する二通りの方法がある。後者はウォーカーを歩行させたまま行える利点があるものの、一度に投入できる兵員が少数であることから主に緊急時に限定され、通常は停止して動物のように脚を畳む方式を使用している。
強力な兵器である一方で、敵に対する心理的な効果を狙って機体を巨大にしたため、長い脚からくる高重心が災いしてバランスが非常に悪く、劇中では反乱軍が使用するスノースピーダーのケーブルで足を絡められて、前のめりに転倒させられるシーンがある[1]。
もっとも4本の長い脚は、短い6本脚を昆虫のように動かしていた前級をはるかに凌ぐほどの高速歩行を可能とし、不気味な外観は期待通り、敵に対する威圧効果も高い。背の高さから、戦場における秘匿性はないに等しかったが、遠方からあらゆる攻撃を跳ね返しながら、地響きを立てて巨体が前進する様は、敵軍を恐怖の底に叩き込む。士気・錬度の高い同盟軍はともかく、辺境の反乱制圧の際には本機を見ただけで敵が逃げ出した例もある。また、機体のバランサーの能力は比較的 高く、外部からの攻撃以外で転倒することは、通常まずありえない。
あまりに巨大なため、本体の方向転換は極めて鈍重で小回りがきかず、また防御を優先して窓はコクピット正面の隙間のみとしたため、視界も非常に悪いが、コックピットには可視距離の長い高性能のスコープが設置されている。接近戦は考慮されておらず、専ら中・遠距離での戦闘に勝利するを求められた兵器である。
作中での活躍
ホスの戦いでは、帝国軍のマキシミリアン・ヴィアーズ将軍率いる"ブリザード・フォース"がスノートルーパー部隊を乗せてAT-ATの攻撃部隊を率い、反乱同盟軍に大きな打撃を与える。前述のように、反乱軍の兵士が操縦するスノースピーダーが射出したケーブルを脚に巻き付けられてしまい、転倒したところに、操縦室と乗員室を繫ぐ脆弱な首に集中攻撃を受けて破壊される。また胴体下部も装甲が薄いようで、ルーク・スカイウォーカーはライトセーバーでくり抜いた穴から、内部に“サーマル・デトネーター”という手榴弾(放射能を出さない超小型熱核爆弾、種類によって異なるが爆破範囲5m - 100m)を投げ込んで破壊している。また、元帝国軍中尉のセイン・キレルは、彼が搭乗していたスノースピーダーの砲手に脚首を集中攻撃させ、その部分のボルトを外して破壊している。
劇中では描かれていないが、被弾した反乱軍のスピーダーがヴィアーズ将軍の搭乗するAT-ATの操縦室に突入し、将軍が負傷したという未確認の情報もあるが、帝国軍の報道では流れておらず、真偽は不明である。
しかしホスの戦いにおいて破壊されたのは、これら3ないし4機のみであり、AT-ATは反乱軍に壊滅的な打撃を与え、ホス基地の迅速な陥落に大きく貢献したと言える。
惑星エンドアの月は深い森に覆われており、AT-ST(後述)の部隊が有名であるが、AT-ATも少数が配備されている。エンドアの戦いにも登場しており、ダース・ベイダーの元へ投降してきたルークを連行してくるのもAT-ATである。ただし、全土が密生した森林に覆われている地形のため、巨大で鈍重な本機は戦闘には適さず、劇中のように要人や物資の輸送に従事する。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』において、主人公のレイが“砂漠の惑星ジャクー”で戦争で大破したAT-ATの残骸を我が家にしていたほか、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では、通常のAT-ATより大型で胴体の部分が建築資材や武器の運搬に特化した“AT-ACT”が登場した。また、『スターウォーズ/最後のジェダイ』では、ファースト・オーダーによって近代化改装を施されたAT-ATがAT-M6ウォーカーと共にクレイトの戦いで配備された。
類似機種
- AT-TE (All Terrain Tactical Enforcer)
- AT-ATの直接の祖先にあたる共和国軍の主力歩行兵器。クローン戦争期のジオノーシスの戦いなどで投入されており、ずんぐりとした胴体に本体前面に固定式のコックピット、上面の旋回砲塔、6本の脚を備え、昆虫のようなスタイルを持つ。AT-ATよりはかなり機体規模が小さく、装甲は備えるもののミサイル1発で撃破されるシーンもあり、戦車というよりは装甲兵員輸送車に近いコンセプトの兵器である。操縦にはパイロット1名、監視員1名、レーザー・キャノンを操作する補助メンバー4名が必要となり、更に7番目の乗員が外部射撃席からキャノン砲を操作することも可能だった。共和国攻撃用ガンシップの輸送型により空輸が可能という特徴を持ち、足は遅いものの迅速な展開が可能であった。帝国成立以降は多くが廃棄されるが、一部は銀河内乱以降も使用されている。
- AT-PT (All Terrain Personal Transport)
- AT-AT以前に存在した二足歩行兵器であり、よく似た外見のコクピットを持つ。小型軽量の一人乗り機体で、三連装レーザー砲を装備。平地では時速60kmで走行可能で45度の傾斜も登れる。兵士をより破壊的な任務に就かせる為の兵器で、作戦能力向上を目的にしている。AT-ATの設計思想の元となった。銀河共和国時代に開発されたが、実戦には未投入となった。スピンオフ作品に登場した際は、カタナ艦隊に配備されるも行方不明になる。帝国では小規模部隊に配備される。反乱軍が基地より奪取し使用するエピソードもある。
- AT-DP (All Terrain Defense Pod)
- 銀河帝国軍がヤヴィンの戦い以前に惑星ロザルなどに配備していた二足歩行のウォーカー。警邏や短距離偵察任務、限られた人数での広範囲のパトロールに向いていた。顎部の「マード38重レーザー砲」で武装していたが、AT-STよりも火力は貧弱とされ、まともな戦闘には向いていなかった。正史のアニメシリーズ『スターウォーズ:反乱者たち』に登場。
- AT-ST (All Terrain Scout Transport)
- AT-ATよりはるかに小型で小回りが利く。AT-XTの簡易量産型でもある。ホスの戦いでは戦場の雪原を走行する様子のみが描写されていただけであった。対してエンドアの戦いでは、森林での戦闘ゆえか小回りの利くAT-STが多数(劇中で確認できるのは4機)投入されイウォーク達を苦しめた。装甲と言えるほどの大した装甲は持たず、耐久力ではAT-ATに及ぶべくもない。さすがに投石程度ではほとんどダメージを受けなかったが、イウォークの巨木の丸太を用いた原始的な罠によって2機が破壊されている。さらにこの戦いではチューバッカとイウォークが一機を奪取して乗り回しており、操縦はそれほど難しくないようである。奪取された本機は残る一機をレーザーキャノンで破壊し、さらに帝国軍のストームトルーパー部隊を掃討。そしてハン・ソロは、本機からの偽通信でバンカー内に篭城する帝国兵たちをおびき出してゲートを開けさせ、勝敗を決した。被弾した機体は木っ端微塵に爆散し、薄い装甲に比して非常に高い攻撃力を持つ。
- AT-RT (All Terrain Recon Transport)
- AT-STよりさらに小型で、警戒及び偵察用。コックピットがむき出しの状態であり、操縦するパイロットは無防備であるがその分視界には優れ、偵察任務に適した機体である。また、サーチライトも装備されており、夜間においても行動が可能。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』では、オーダー66から逃れたヨーダを捜索するシーンに登場。
- AT-XT (All Terrain Experimental Transport)
- 偏向シールド、連装レーザー砲、迫撃砲を搭載した高性能機種。高コストで一部部隊のみに配備された。後に退役。
- AT-ACT (All Terrain Armored Cargo Transport)
- AT-ATより大型で貨物輸送に特化した型。側面には貨物積載時に使用されるオレンジ色のハッチがある。AT-ATなどとは異なり戦闘用ではないため、軽装甲であることやヘヴィ・レーザーキャノンが搭載されていないなどの違いがある。装甲が貧弱なことから『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では、XウイングやU-ウイングの機銃攻撃で簡単に撃破されている。
- AT-M6 (All Terrain MegaCaliber Six)
- 帝国軍の残党から生まれた組織であるファースト・オーダーが所有する機種。惑星クレイトでのレジスタンスとの戦いで配備された。旧帝国軍がホスの戦いで使用したAT-ATよりも巨大で、背中の部分に名前の由来である“メガキャリバー6 ターボレーザー砲”と呼ばれる強力なキャノン砲を搭載していた。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で初登場。
備考
当初は、ノルウェー軍から本物の戦車を借りてデコレーションする方向でデザインが進められたが、フィル・ティペットらによるストップモーションで撮影される事が決まり、以前にシド・ミードが鉄鋼会社のパンプレットに描いていた4本脚のトラックをモチーフにしたデザインが起こされた。
動きは動物園のゾウを撮影したフィルムを参考にしている。このゾウは『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』でヤクに似た毛むくじゃらの4足動物バンサを演じている。
脚注
^ AT-ATが転倒した時点では一時的な行動不能には陥っているものの、撃破されたわけではないため、転倒直後に首部分を狙われて、とどめを刺されている。
関連項目
- 多脚戦車
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